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■ 業界別知財活用

美容ビジネス

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健康美容EXPOhttps://www.e-expo.net/consulting/01.html

美容ビジネスコンサルタント 中野先生 × 松下先生のスペシャル対談
〜美容ビジネスにおける知的財産戦略〜

◆知的財産権とは
人間の知的活動によって生み出されたアイデアや創作物などには、財産的な価値を持つものがあります。
そうしたものを総称して「知的財産」と呼びます。知的財産の中には特許権や実用新案権など、法律で規定された権利や法律上保護される利益に係る権利として保護されるものがあります。それらの権利は「知的財産権」と呼ばれます。主な知的財産権には以下のものがあります。

[特許権 機器の構造、成分や配合の保護、技術の保護][意匠権 商品デザインの保護][商標権 商品名/サービス名の保護][実用新案権 スイッチの構造など][著作権 HPやカタログ等
の写真や文章]

■知財関係法

知的財産権 知的創造物:[発明 特許権(出願から20年)][考案 実用新案権(出願10年)][デザイン 意匠権(登録から20年、最長存続)][営業秘密 例:製造技術、顧客リスト 不正競争防止法(事業者間において正当な営業活動を遵守させることにより、適正な競争を確保するための法律) 未然の模倣対策として…@社内情報管理、A社員向セミナー、B社員との個別契約][著作物 例:小説、音楽、プログラム 著作権(著作物の完成と同時に自動発生、登録不要)] 営業上の標識:[商号 商法][商標 ・登録商標…商標法(更新により永続的に存続可能) ・未登録(周知)商標…不正競争防止法]

松下先生(以下、松下)

今回は、美容業界において、どのように知的財産権をビジネスに活用していけばよいかについての対談になります。
現状として、美容業界では知的財産戦略についての知識や権利を活用されている企業さんが多いと思われますか?

中野先生(以下、中野)

中野先生

大手企業や老舗の企業は特許権など知的財産権について、神経を使っていますが、新規参入の中小企業はそこまで気が回らない会社様が多いと感じます。

松下

確かに、係争などは、ナショナルブランドや大手企業が多いですね。中小企業において知財戦略が遅れている理由はどのようなものでしょう?

中野

ゼロから処方開発研究や原材料開発研究ができる企業は一部で、ほとんどのメーカーは研究機関を持たないファブレス企業のため、OEMメーカーに処方を外注することが多いです。
販売会社は違っても、生産会社が同じという場合も少なくないので、似通った処方の商品が市場に出回る傾向にあります。また、容器も容器メーカーから同じ型のものを購入している場合が多いため似てしまいます。

松下

そうなると、美容業界の中小企業は、強みとなるオンリーワン商品を開発することがしずらいということですね。
似通った成分の商品と容器ばかりでは、お客様に選ばれることも困難ということになりますね。
しかし、自社ならではのロングセラー商品というものをつくらなくてはなかなかビジネスは拡大しずらいのではないでしょうか?

OEMメーカーがもってくるものをただ待っているのではなく、従来培ったご経験からの「こういうものがあったらいいな」というシーズ発想により、OEMメーカーに「こういうものはないか」と相談しながら開発していくようなことができるとよいですよね。研究開発費の助成金制度もありますし、特許権は共同でも出願できます。
出願できれば、「特許出願中」を切り札として、業務提携やライセンス契約など積極的な営業を可能にします。
ビジネス上の知的財産権戦略とは、自社の強みをもったオリジナル商品があってこそ、活用できますので、ぜひ、挑戦していただきたいです。

■知的財産権の6大メリット

デザイン…意匠権 技術…特許権/実用新案権 商品・サービス名ロゴ(図形)…商標権 不正競争防止法著作権 保護:[攻撃→競合他社排除][威圧→模倣防止、社内流出、未然防止][防衛→他社からの攻撃を受けにくくする] 活用:[信頼宣伝→他社からの攻撃を受けにくくする、信頼度UP、顧客獲得][提携→ライセンス収入、業務提携(他社強み獲得)][資金調達]→企業力・企業価値のUP

中野

松下先生

あと、美容業界における販売促進でネックになるのが、医薬品医療機器等法(薬機法)や景品表示法です。文言で競合他社商品より優位性を主張したくても、決まった文章で説明しないといけないしばりがあるので、差別化表現が難しいところがあります。

松下

そうですね。薬事法による規制により、特許に関する表現は、内容が事実であっても具体的内容を広告表現に使用するとはできないです。
例えば、広告表現内に「特許取得 特許商品」などと記載はできません。
ただ、意外と知られてませんが、一定条件を満たせば、商品自体に特許表示したり、製法特許の番号等を記載できる場合がありますので、詳しくはご相談していただきたいです。

さて、本日はどうもありがとうございました。 

中野

ぜひ、これからも美容業界の発展のためにサポートしていきたいですね。
ありがとうございました。

■株式会社ビューティラボ代表  中野 啓子先生 プロフィール

中野 啓子先生

多摩美術大学 美術学部 デザイン科 グラフィックデザイン専攻 広告デザイン専修 アートセンター カレッジ オブ デザイン (U.S.A.)

中堅化粧品会社2社に20年、ベンチャー企業2社に2年勤務。
パッケージデザイン・商品企画・販促・マーケティング・広報・広告・ホームページ管理運営・お客様相談室・営業企画を歴任。
美容業界に34年間在籍。
2007年 (株)ビューティラボを設立。10年間で経営支援実績企業は約120社。
・中小企業・小規模事業者ビジネス創造等支援事業 登録専門家。
・(公財)東京都中小企業振興公社主催創業支援プログラム「TOKYO起業塾」インキュベート・サポーター
・ふくしま地域産業6次化イノベーター
・独立行政法人 中小企業基盤整備機構 中小企業大学校東京校 ビジネスト 女性創業アドバイザー

美容ビジネスの模倣対策は、自社の業務内容によって、例えば美容機器や器具の構造、容器デザイン、化粧品やサプリメントの成分からネーミング、オリジナルのサービス(役務)等の様々な対象がある。すでにお話ししたように、模倣対策は、模倣された後の対応は効果が限定的になるため、模倣される前の事前対応が重要であり、ビジネス構想を練りはじめた段階から考えていただきたい。以下の表にて、商品・サービスの企画、開発の各段階における模倣対策を段階別にまとめた。

商品・サービスができるまで 美容ビジネスにおける模倣対策と知的財産権
企画 自社の強みを活かして、市場に求められる商品やサービスをどのような販路で提供できるかを考える際にぜひ活用したいのは、他社の知的財産権の調査である。

例えば美容機器や器具の構造、容器デザイン、化粧品やサプリメントの成分で登録されている特許権の情報を調査してみると、そこには、今、そしてこれから市場をにぎわすかもしれない貴重な情報がたくさんあるのだ。
商品名なども、商標権を調べれば、流行りのネーミングなども読み取ることができるので、参考にもなるし、あえて事前に避けることもできる。パッケージデザインなどは意匠権の情報を調査し、たとえば、美容業界だけではなく、食品や雑貨など異業種などの情報もチェックすることで、思わぬひらめきがあるかもしれない。

簡易な調査であれば、特許庁が提供している“特許情報プラットフォーム https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage ”でみることができる。

このような知的財産権の調査は特許事務所に依頼できる。
開発 商品・サービスの企画が決まり開発を始める前にも、知的財産権の調査が重要である。理由は、他社の知的財産権の情報が技術やデザインの参考情報となったり、他社の権利を抵触しないように、事前に避けて開発を進めることができるためである。とくに技術やデザインに関しては、それが他社の権利に抵触してしまうかどうかの見極めが重要なため、専門家に調査を依頼した方がよい。実際に商品を製造してしまってから、他社の権利を抵触していることが発覚、警告などを受けてしまうと、今までの開発と試作にかかった労力と時間とお金が無駄になってしまうのは言うまでもない。

また、自社のオンリーワンの商品が開発できそうだ! ということになった場合、商品化される前(公表する前)に出願をしないと登録できなくなってしまう(特許や意匠は出願時に新しいことが登録要件)。 特許出願の内容は出願から1年半は公開されないため、他社に知られることはない。よって、「特許出願中」というパワフルな宣伝トークとして上手に社外にPRすると共に、公開前で内容をブラックボックスにすることができ、他社は、貴社の出願内容を回避して似たような商品やサービスを出すための検討がしずらくなる。

特許権は、新しく有益な発明をした発明者に対して、その発明を一定期間、独占的に使用できる権利を国が与えることであり、ビジネス上、資金調達や業務提携、ライセンスビジネスを実施していく時にとても重要視される権利なのである。

特許権と実用新案権の基礎知識
http://www.ippjp.com/service/patent.html
ネーミング
(商標)
商品やサービスを市場に出して、販促する際に重要になることが、五感訴求である。
その見た目や聞いた響き、触った感触や香りなど。
特に美容業界はその点を大切にするので、ネーミングやロゴ、パッケージデザインは重要な要素となる。

知的財産権で、ネーミングや役務(サービス)は、商標権で保護される。商標権を取得すれば、商標を独占して半永久的にそれを使用できる。
商標は、Web検索等で使用しているか否かを権利者が簡単に見つけることができるので、問題になりやすい。また、先に使った方ではなく、先に出願をした方に権利が付与されるので、後から他社に商標登録されてしまい、商標変更をしなければならないこともある。

商標には以下の4つの機能がある。

「自他商品識別機能」 自分の商品等と他人の商品等を区分する機能。
「出所表示機能」 同一の商標を付した商品等は常に一定の出所から流通されていることを示す機能。
「品質保証機能」 同一の商標を付した商品等は、同一の品質を有していることを示す機能。
「宣伝広告機能」 商標によって自分の商品と、他人の商品の差別化を図り、需要者に自分の商品を買いたいという意欲を起こさせる機能。

要は、自社ブランド育成に欠かせない役割をもつ。商標権は、ブランディングしていくことで財産価値が高くなる。例えば、あの有名な「バファリン」は、ライオンに304億円で売れた。ぜひ、商標権を活用して自社の強みとなるロングセラーブランドを育成していただきたい。

商標権の基礎知識
http://www.ippjp.com/service/trademark.html
パッケージデザイン等
(意匠)
商品・サービスをお客様に選んでいただくために、美容機器や器具のデザイン、パッケージや容器のデザインを他社と差別化することが重要である。
そのように差別化したデザインは、意匠権によって、最長20年間独占できる
意匠権の対象は、新規性と創作性があり、美感を起こさせる外観を有する物品の形状・模様・色彩のデザインの創作であり、工業的に大量生産できるデザインに関する権利である。

関連意匠:
例えば、化粧水〜美容液まで、商品のシリーズ化をする場合、その容器を似たようなデザインで統一化することはよくある。
たとえば、ひとつの容器デザインを意匠出願した場合、その他(同シリーズの)の関連容器デザインは、関連意匠制度として出願する
そのシリーズを関連デザインで固めていくことでより強い権利を独占することができるため、似たようなデザインが他社から登場することを阻止できる。
よって、一目でここのブランドの商品だ!とお客様に選ばれる戦略を立てることができる。

部分意匠:
商品の特徴的な一部分だけのデザインを部分意匠として権利化できる。
たとえば、自社の商品の全体形状のなかの特徴的な部分を、部分意匠として意匠登録することで、その部分を備えていれば全体の形状が異なる商品も意匠権で保護できる。

他、発売時期がまだ先の場合には、出願人の希望によって、最長3年間は秘密にできる秘密意匠制度など、意匠権は独自の制度があるので、色々と活用していただきたい。

意匠権の基礎知識
http://www.ippjp.com/service/design.html
薬機法 薬機法の規制により、特許に関する表現は、内容が事実であっても具体的内容を広告表現に使用するとはできない。
例えば、広告表現内に 「特許取得 特許商品」等と記載することはできない。
ただし、商品自体には、一定条件を満たせば、特許表示をすることが可能である。
また、製法特許・方法特許は、一定条件を満たせば、商品の容器やパッケージに特許表示ができる。
販売促進 広告宣伝、雑誌やテレビなどへの露出によって、商品売上がどんどん伸びていくほど、模倣も増えてくる。
売れている商品だからこそ、真似したくなるのは当たり前である。
模倣商品は大体が、正規品よりコストを下げ、品質の低い物を販売してくる。
消費者は安い方を選んでしまい、正規品の売上が下がってくる。また正規品だと思って購入する人もいるので、粗悪品であるとクレームも増え、ブランドイメージも低下してくるのである。
おわかりの通り、模倣は、されてしまってからでは取り返しがなかなかつかないのである。
だからこそ、模倣される前の、外部に情報が出る前の対策が大事である

なお、ノウハウ等は、現社員あるいは元社員から流出してしまうことが多い。ノウハウを明確ににし、社内教育をすると共に、秘密保持契約を社員と締結することが大事である。

しっかりと自社商品を守り、安心して長く売り続けることのできる体制に取り組んでほしい。