中小企業の模倣対策を考える
Contents
知的財産侵害の実態
特許庁の公式Webサイト(https://www.jpo.go.jp/)では、近年「模倣品・海賊版による被害が複雑化・広範化」していることを警告する記載があります。
何故ならこれらの被害は「我が国法人にとって潜在的市場の喪失のみならず、消費者に対するブランド・イメージの低下、製造物責任を巡るトラブルの増加等の悪影響を及ぼす」からです。
東京商工会議所の中小企業の知的財産に関する研究会が、中小企業の知的財産に関する調査をしています。(平成25年)
Q1 . 模倣被害について
模倣品被害について、全体の約3割の中小企業が被害の経験があり、10社に3社がなんらかの被害に合っているということです。
まさかうちは大丈夫と思っても、広告宣伝や展示会、今はネットの時代ですから、自社の強みとなるオリジナル商品やサービスはアピールすればするほど模倣の可能性も高くなると言っても過言ではありません。
Q2 . 国内外の被害状況
国別(日本を除く)の被害の状況を見ると、中国が最も多く、次いで韓国、台湾 。東アジア諸国で被害にあっている企業が多くなっており、この地域では知的財産侵害の被害が深刻です。Made in Japanのブランド力はいまだに健在と言えますが、このような状況をいかに防止するか考えていかなければなりません。
Q3 . 模倣被害への対応
Q4 . 模倣被害に対して対応しない理由
コストや人的リソース 不足をあげる中小企業が多いですが、「警告、訴訟等を行っても侵害がなくならいため」と模倣品被害への対応そのものを諦めている企業も4割に上る結果になりました。
上記の調査からわかることは、模倣は大手企業ばかりのものだと思っておりましたが、インターネットや展示会などスピーディに情報が広がる時代、中小企業にも模倣は広がっています。
しかし、模倣は起こってからでは、中小企業のリソースで対応することが困難であることが見受けられます。
これは模倣先を特定することが難しい、模倣先に警告しても止めてくれない、訴訟をしても時間と費用がかかる等のためです。模倣先は、既に模倣品の製造・販売の投資をしてるため、後に引けないのです。すなわち、模倣されてから対応するのでは遅いのです。そのため、模倣を未然に防止することが大切です。
事前に模倣を防ぐにはどうすべきか
では、リソース不足の中小企業は、模倣を防ぐにはどうすればよいのでしょう?
模倣品の対策や知的財産に詳しい人材を一から育てるのは大変ですし、コストも時間もかかります。
そのために、模倣防止協会を活用するという方法があります。
模倣品の対策で資金と時間共に最も効果的な方法は
「被害を未然に防ぐ」ことであり、それが「模倣防止」です。
事前に模倣を防ぐために一番効果的な方法は、
自社の模倣品に対しての姿勢を後発にしっかりPRすることです。
他社が貴社の商品・サービスの模倣を検討する際に、貴社のウェブサイト、カタログ、広告、商品等を見て分析します。それらに「模倣対策をしています」という強い姿勢を示すことをお勧めします。例えば、セコムマークを考えてみてください、セコムマークがある家は、セコムマークがない家に比べて泥棒が入る確率が圧倒的に低いのです。
模倣防止協会は、貴社の製品・サービスを模倣から守るセコムのような役割を果たします。
貴社の商品・サービスに、知財・法務が運営する模倣防止協会が模倣対策に取り組んでいることをPRすることは、他社の模倣を防ぐ上で極めて効果があることが実証されています。それにより、圧倒的に多い「悪意のない模倣」を牽制することができます。
模倣防止協会は、企業の大切な財産であるビジネスモデル、技術、 ノウハウ、ブランド、デザインなどを模倣から守るために設立され、 経験豊富な弁護士や弁理士など専門のプロフェッショナル集団が中心となって模倣防止活動をしている協会です。この模倣防止協会を活用して頂くことで、限られた資金や時間をより効果的に使うことができるのです。
どうぞお気軽にご相談ください。http://www.mohouboushi.org/
模倣者を牽制するサイトサービスもあります。(以下一部内容紹介)
<模倣に関する法律>模倣をするとどんな法律があるか刑事罰や懲役についての記載
<専門家のバックアップ>模倣に関する専門家集団の紹介
被害にあってしまったら...
模倣品被害に関しては、民間企業の力だけでは対応に限界があります。弁護士や弁理士など民間の専門家に相談することができます。また公的機関に相談することもできます。
一つの方法として「補助金」を活用することです。
先ほど挙げた特許庁公式Webサイトに「中小企業等海外侵害対策支援事業」についての記載があり、(https://www.jpo.go.jp/support/chusho/shien_kaigaishingai.html)
1.海外の模倣品対策
2.冒認商標の取り消し
3.海外で受けた警告の係争費用を支援
に対する支援があります。
(事業内容等の詳細は上記URLをご参照ください)。
参考資料:東京商工会議所 中小企業の知的財産に関する研究会
「中小企業の知的財産に関する調査」https://www.tokyo-cci.or.jp/file.jsp?id=25708