ショップも外装内装まるごとデザイン保護されはじめた
2020年4月1日、意匠法(デザインの保護)が改訂され、出願した企業が登録され始めています。
改訂内容のひとつは
建築物、内装のデザインの権利
であります。
昨今、企業が店舗の外観や内装に特徴的な工夫を凝らしてブランド価値を創出し、サービスの提供や製品の販売 を行う事例が増えています。また、近年、オフィス家具・関連機器を扱う企業が、自社の製品を用いつつ、特徴的な オフィスデザインを設計し、顧客に提供する事例も生じています。こうしたデザインについては、多額の投資を行った上で設計されることも多く、これが容易に模倣されるようで あれば、企業競争力の源泉たるデザイン投資の収縮を招くこととなります。したがって、建築物の外観デザインを意匠権で保護することができるよう、意匠の定義を見直しました。また、机やいす等の複数の物品等の組合せや配置、壁や床等の装飾により構成される内装デザインが、全体と して統一的な美感を起こさせるようなときは、一つの意匠として意匠権で保護することができるよう、新たな規定 を創設しました。
特許庁サイト「イノベーション・ブランド構築に資する意匠法改正」より
- 不動産である建築物のデザインも保護できるよう、「建築物」も保護対象に。
- 複数の物品、壁、床、天井等から構成される「内装」のデザインについても、一意匠として登録可能。
内装の意匠登録例
2020年10月、内装で意匠登録された回転寿司チェーンのくら寿司。
屋根や柱の独創的な「やぐら」を組んで、日本の祭りをイメージしています。
意匠登録1671153
2020年10月には衣料店ユニクロ(株式会社ファーストリテイリング)の店舗内装も意匠登録されました。
登録された店舗、UNIQLO PARK 横浜ベイサイド店は、スロープ状の屋上面が、すべり台やジャングルジム、ボルダリングやクライミング設備を備えた公園になっています。横浜や東京湾を一望でき、晴れた日には遠くに富士山が見えます。屋上面から店舗内の各フロアへのアクセスも可能で、公園で遊んだ後、気軽に買い物を楽しむこともできます。「PLAY」というグランドコンセプトのもと、ユニクロとジーユーの店舗を公園にしています。 (ユニクロホームページより)
フラッグシップショップとしてユニークで独創的な内外装を権利化することは、話題性からその店にまずは行ってみたいと思わせる顧客心理を喚起し、新規顧客も拡大する大きなブランディングの役目を果たします。
今後も空間を楽しませてくれる建物が増えてくるでしょう。